気温上昇!血圧降下!そのフラツキは起立性低血圧かも!|にじいろファミリークリニック|東村山市久米川町の内科・循環器内科・泌尿器科

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気温上昇!血圧降下!そのフラツキは起立性低血圧かも!

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2026年6月09日

気温上昇!血圧降下!そのフラツキは起立性低血圧かも!

こんにちは。にじいろファミリークリニック、安田です。

東京を含む関東甲信地方は6月7日に梅雨入りしました。もうすでに暑い日も少なくありませんが、ここから本格的に夏がやってくるんですね。

めまいや立ち眩みって、今の時期がとっても多くなります。まあ、こういった症状の原因には自律神経の乱れみたいなものも大きく関係しますし、そういった意味では季節の変わり目も増えるんですが、私たちの耳の中には気圧変化を感知するセンサーのような機能があり、梅雨とか台風とかが重なると気圧が変化して、この影響で耳の中のセンサーがやや過剰反応を起こしちゃうんです。ここに夏の暑さが加われば、簡単にふらついてきます。

ご存じの方もいるかもしれませんが、ふらつき・めまいの原因として最も頻度が高いのは何といっても耳の異常です。「良性発作性頭位めまい症」という病気や「メニエール病」とかの有名どころであれば、なんとなく聞いたこともあるでしょう。耳の異常はめまい全体の50~60%位です。2人に1人は耳の異常って事ですね。

ここに次ぐ原因の2位が心臓病や血圧異常といった循環器的異常です。これは全体の20~25%ですので、めまい患者の4~5人に1人で循環器的異常が原因となります。3位が自律神経・精神的問題であり、10%〜15%くらいです。5%前後が脳の異常で、これが4位です。

「めまい」って言えば脳の異常を予想する人は医療機関にも意外に多く、確かに重要臓器としての脳の異常を疑うのは大切なことだとは思いますが、少なくとも「めまい」で受診した患者さんに頭部CT検査だけやって帰宅させたりするのは、まったくもって不十分と言ってよいのかもしれません。

医学用語として、「特定の調査対象となる集団の中に、その病気の人がどのくらいいるのか」、という割合の事を「有病率」と言います。例えば、血圧がちょっと高い20代女性100人と、高血圧・糖尿病・脂質異常症をもつ60代男性100人の2群において、“動脈硬化性疾患“の有病率は2群間でまったく異なります。ですので、20歳女性がめまいの相談をしてきたら「はは~ん、さては耳の異常に疲れもでちゃった感じだな」と思っても良いのでしょうが、高血圧・糖尿病・脂質異常症の持病がある60歳男性がふらつきで相談してきたら、「ん~、耳の異常だとは思うけど、心臓病とは脳血管病の可能性もあるな~」と思った方が良いのです。

私が何を言いたいのかというと、“正しく医療行為を行うのであれば当然のように有病率という観点からも患者さんに必要な検査を考慮する必要がある”、という事です。つまり、「めまい」の相談に患者さんが来院したら、「頭の病気か!?」という見方をするのは大変結構なんですが、「耳か循環器的問題か疲れか!?一応頭の病気もあり得るかな?」という見方をする方が妥当である、という事です。

私は循環器内科医なので、めまいの患者さんが相談にいらっしゃる事は少なくありません。こうやって患者さんが脳神経外科ではなく循環器内科の門を叩かれたとき、心の中で「この人は有病率っていうのをちゃんと分かってるな~」と思いながら診察しています。だって、循環器的問題が、めまい・ふらつきの原因第2位なわけですから。耳鼻科的に問題がない人であれば、2人に1人が循環的問題が理由でふらついているわけですから。

めまいの理由となる循環器的問題の一つに、「起立性低血圧」という病気があります。夏場は1年の中で起立性低血圧が最も多発する時期と言われています。

これは、「おっす、オラ夏の暑さに対抗すっぞ!」っていう体の仕組みが、血圧を下げる方向に払いちゃうからです。この仕組みの一つは、「血管の拡張」です。皮膚の血管がひらくと血管表面積が増えて、そうするとここから逃げていく熱も増えます。夏の校庭でほっぺたを赤くしている子供達を想像してもらえれば、ご理解いただけると思います。

例えばホースで水を撒いているとして、蛇口からの水の量を変えずにホースを急に太くしたとします。すると、当然水の勢いは下がるのですが、これと同じような理屈が血管拡張した人体でも成り立ってしまうので、血圧は低下してしまいます。横になっている状態から立ち上がる場合、重力の影響でざっくり500ml~800mlくらいの血液が足にあつまりますので、本当はこの時には血管を縮めてグッと血圧を上げなくてはいけないので、血管がびよーんと広がっている人が急に立ち上がったりするような事があれば、脳に血液を押し上げるためのパワーは極端に弱ってしまうので、立ち眩みの症状が出る、という事ですね。

夏の暑さへ対する体の仕組みとして、もう一つ大切な事が「発汗」です。やはり夏場は、たとえ自覚がなくとも皮膚や息から水分・塩分がそこそこ失われています。つまり塩水が足りなくなる傾向になる、という事です。人の血液っていうのはやっぱり水分の割合が高いので、体内の塩水が減っていくと血液の総量が減ってしまうんですね。血液スカスカ状態って事ですから、当然めまい・ふらつきは起こるわけです。

ここに、まるでトドメのように温度差による問題が加わります。皆さんもうお分かりのように、冷房の効いた涼しい部屋と猛暑の屋外を行き来していると、血管が伸び縮みしまくるのですが、これを意図的にコントロールしている人はおらず(いませんよね?)、当然この現象は自律神経によって調整されています。なので、手をグーパーグーパーし続ければ徐々に指が疲れて動かなくなってくるみたいに、血管を伸ばしたり縮めたりしまくっちゃうと自律神経がパニックを起こしちゃうんですね。こうやってちょっとおバカちゃんになった自律神経は、立ち上がった時に「血管を締めろ!」という命令スイッチを正しく押せなくなっちゃうので、起立性低血圧という症状が余計に出やすくなってしまいます。これは俗的に「自律神経バテ」と呼ばれる夏バテです。

この時期のめまい・ふらつきにはご用心を!

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