2025年11月09日

皆様こんにちは。
にじいろファミリークリニックの安田幸一です。
今シーズンもインフルエンザが流行しており、発熱や喉の痛み等での受診患者さんは多くおられます。
今年のインフルエンザは、喉の痛みや咳が出た後からおくれて発熱してくるため、診断や治療が遅れる例もあるようです。こういった例では感染拡大しやすい点が問題です。
検査の際につかう「鼻をぐりぐりするアレ」は「インフルエンザ迅速検査」といいます。
検査には目的に合わせた特徴があり、簡単には陽性にならない検査(=陽性であれば自信をもって診断できるような検査)や、簡単に陽性になるような検査(=陰性であれば自信をもって否定できるような検査)があります。
インフルエンザ迅速検査は簡単には陽性にならない検査です。このため、陽性の時にはインフルエンザ感染がほぼ間違いありませんが、陰性だからといってインフルエンザ感染ではないと言い切れません。
白い床の上にたくさんの砂が落ちていれば誰でも汚れているとわかるのですが、少量の砂が落ちていても一見はキレイに見えてしまう現象に似ています。なので、発症から12~24時間程度の間をおいて検査をしたりするんですね。
ですが、白い床の上におちているのが、砂ではなくて、小石のようなものになれば、少量でも汚れているとわかると思います。このため、どうにかして少量のウイルスを見やすくできれば、発症早期のインフルエンザでも診断がしやすくなるという事になります。
これを可能にしたのが、写真の会社で有名な富士フィルムさんです。ここの製品である感染症検査装置「IMMUNO AG」はウイルスに大きな目印をくっつけて一つ一つを大きく見やすくし、この判定を人の目ではなく機械判定を行う事で感染早期での高感度検出が可能になりました。さすが、カメラの老舗です。
当院には「IMMUNO AG」を3台設置してあります。
2件のクリニックを回って陰性で困っていた患者さんが、3件目としてこれを使用し、陽性の判定がようやく出たという体験をお聞きしたときは、こちらもホッとした気持ちになりました。
「まだ時間があまりたっていないのだけれど、どうしようか」と心配されている方でも、是非ご相談ください。